【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「よく寝てるわ」
「お前も風呂入ってきたら?」
「うん。そうする。さっきの話、考えといてね〜。いつがいいかなぁ……」

 さっきの話? なんだ? ママ友の話か?
 ま、戻ってから聞くか……。

 やっぱり、今日は外出したから結衣子も疲れたかな?
 いや、でも、せっかく鉄平寝たし……。

 しかしベビーベッドの位置、間違えたよな〜。違う部屋に置くべきだったな。
 結衣子の甘い啼き声が聞けないんだよ!

 いや……でも、声を出さないように手の甲で口を押さえて必死で我慢してる結衣子もイイんだけど……。

 ヤベ、反応してきた!

♪ピコン

 ん? メッセージか?
 げ、廣澤だ。またなんだ?

『稲森さんの件、頼んだぞ!』

 あー。忘れてた。
 チッ、面倒くせー!

 廣澤、なんで稲森なんだ。アイツは女豹だ。とんでもない女だぞ。
 アイツはな、俺を襲ったんだぞ!

 当直明け、仮眠室で寝てたらアイツが入ってきて、鍵閉めて、服脱ぎ出したんだぞー! 
 めっちゃ怖かったんだからな。俺、貞操の危機だったんだぞ。

 幸か不幸か、俺の分身は俺と一緒に縮こまって、ピクリとも動かなかったがな。そこは全く心配なかったけど!

 見たくもないもの見せられるのは迷惑なんだよ!
 お前は痴女か!
 その貧相な身体、早くしまえ!

 って、追い出したけどな。

 だけど、もしあそこに誰かが来て、見られてたら言い逃れは出来ない。
 こっちに非がなくてもな。それくらいはわかる。
 稲森がリスクを背負ってまで思い詰めて、ああいう行動に出たのか。
 それとも無視し続ける俺への嫌がらせだったのか。
 ただ欲望に忠実に行動した結果なのかはわからない。
 俺に妻子(腹の中だったけど)がいるのを知ってる上での行動だ。とても賢い女のすることだと思えない。

 まあ、最近はようやくまともになってきた気がするけど……。
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