【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「……なにくれるの?」

 お、泣き止んだか? よし。その前に……一番大事なことだ。
 俺は跪く。

「結衣子、研修がおわったら、俺と結婚してほしい。一生お前だけだ。大切にする」

 返事は? と、問いかける。

「……はい。末永くよろしくお願いします……」

よし!

「結衣子、左手出して」
「な、なに?」

 聖に付き添ってもらって買った指輪。雅から結衣子のサイズは確認済みだ。

 水色の箱にかかった白いリボンをほどき、結衣子の前で箱を開ける。

「……! こ、これ……」

「本当は、キラキラ光る宝石が付いたのを用意したかったんだ。でも今はこれ、ペアリングだ。俺も結衣子と同じものがつけたかったから、申し訳ないけどこれにした。もちろん、ちゃんとエンゲージリングってやつも買ってやるからな」
 結衣子の左手薬指に指輪をはめる。
 このブランドのTの文字を指輪全体にデザイン化したすっきりしたゴールドの指輪だ。男でも着けやすいデザインになっている。

 お、ピッタリだ。さすが雅。
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