【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「あ、ハイ。実は昨日……」
「ご無沙汰してます、乾先輩。結衣子がいつもお世話になってます」

 わ、亮平! 皆んな注目しちゃってるよ!

「藤田……久しぶりだね。婚約したの?」
「はい、昨日プロポーズして正式に。まあ、高校の時からすでに彼女の父親との間で結婚の話は出てましたから」
「……そうか。おめでとう」
「ありがとうございます!」

 あ、なんか恥ずかしいけど嬉しいなぁ。
 
「あら、藤田くん! 聞いたわよ。やっと結衣ちゃんと結婚決まったのね。あなた、大事にするのはいいけど、閉じ込めちゃダメよ。結衣ちゃんはもう、この学校の保健室になくてはならない存在なんですからね。皆んな、結婚退職しちゃったら困るわ」
「前川先生、そんなつもりないですよ。《結衣子の部屋》は続きます」
「だったらいいけど。お幸せにね。お式には呼んでちょうだい」
「もちろんです!」

 前川先生、私が保健室続けられるように……有り難いなぁ。

「あ、あなたは! あぁっ、結衣子先生と同じ指輪! まさか……」

 亮平が、誰だ? こいつ? という目で見ている。

「結衣子の婚約者の藤田です。結衣子がいつもお世話になっています」

 あぁ、やっぱり恥ずかしいっ! なんかくすぐったいような感じ。

「やっぱり……。長身でイケメンだなんて反則です! しかもドクター……」

 三隅先生がなんかぶつぶつ言ってる。
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