【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「ちょっと、亮平? 目が変だよ? 三隅先生にはいつもすごくお世話になっていて、とってもいい人なのよ?」
「……いい人ね。そんな感じだな」

 ニヤリと笑う亮平。なぜか三隅先生が項垂れてる。

「いい人……」

 ん? なんかつぶやいた?
 でも、三隅先生復活してるよね。少し寝たのが良かったみたい。二次会、幹事だし楽しみにしてたから良かったね。

「亮平……お前、わざわざ迎えに来るか? 家で待ってろ。結衣子ならちゃんと俺が送って行くぞ?」

 聖くん、送ってくれるつもりだったんだ。それは申し訳ない。

「近くまで来たからな。このまま連れて帰るよ」
「え、結衣子二次会行くんだろ?」
「う、うん……。でも、もう帰ろうかな。雅ちゃんのお祝い会からずっと寝不足だし」

 昨日は絶対に亮平のせいだろ? という目で、亮平を睨む聖くん。亮平ったら何ニヤニヤ笑ってるの。

「そういうわけだから連れて帰るわ。聖、幹事さんによろしく言っといて」

「はぁぁ……わかった。じゃあ気をつけて帰れよ。ま、亮平がいるから大丈夫だろうけど」
 
こうして、プチ婚約発表を済ませた私は、亮平と帰宅の途についた。




 ……………はずだったのに!
 家まで待てないバカ亮平に、“ご休憩”へと連れ込まれた――。

 もうっ! お預けするはずだったのに!
< 75 / 154 >

この作品をシェア

pagetop