離婚したはずが、辣腕御曹司は揺るぎない愛でもう一度娶る
「私の心も体もあなたを忘れてない。あなたしか受け入れないって結婚式のときに誓ったもの。だからあなた以外に誰にも心を許すつもりはないわ」

 この気持ちはずっと持ち続けていたものだ。彼と再会できなくても、自分の中で決まっていたことだ。

「琴葉、ありがとう。俺、自分が世界で二番目に幸せ」

 そこは普通一番じゃないのかな?

「なんで二番なのよ?」

 不思議に思って尋ねると、彼が私に覆いかぶさってきた。

「だって世界一幸せになるのは、琴葉だって決まっているから」

 優しく私の髪をすきながら、私の体の芯を溶かすような甘い視線を向けてくる。

「俺がそう努力する。だからなんの迷いもなく琴葉は俺の腕の中で笑っていてほしい」

 彼の決意に幸せすぎて胸が痛い。

「ずっと一緒だ。琴葉」

 彼のキスは、これから迎えるふたりの幸せな未来への約束のようだった。



 翌日の日曜日には、地方に住む私の両親に電話で報告した。小さい頃からいい意味で放任主義だった両親も、さすがに呆れていたけれどそれでも私がずっと玲司を忘れていないことを知っていたので、最終的には『おめでとう』と言ってくれた。

 来月迎える新年にはふたりで挨拶にいくことになった。

 そして心配しているであろうお義母さんのもとにも、どうしても今日中に会いたいと無理を言うと、玲司はすぐに仕事の調整とお義母さんに連絡をとってくれた。

 車に乗って玲司の実家を訪れる。何度も訪問したことのある場所なのに、四年前のあの日から一度も会っていないのでどんな顔をすればいいのかと考えながら、向かうとお義母さんは玄関先で私たちが来るのをずっと待っていたようだ。

 車から降りて彼女の前に立つ。

「お義母さん」

 私が声をかけると、彼女は目に涙をためた。

「まだ、私をそう呼んでくれるの? あなたたちの人生を壊してしまったのに」

 ぼろぼろと涙を流す彼女を見ていると、後悔が痛いほど伝わってきて私ももらい泣きしそうだ。

 彼女もまた四年間、自分のした事に罪の意識を感じて、ずっと苦しみながら生きてきたのだろう。

「当たり前です。私の夫は玲司しかいないので、私のお義母さんもあなただけですから」

 なまいきな言い方になってしまったけれど、それが私の本音だ。たしかに私に離婚の決心をさせたのは彼女だったが、それを責めるつもりはない。
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