離婚したはずが、辣腕御曹司は揺るぎない愛でもう一度娶る
「なにやってるんや」
「そうだよね、脚立乗ってるのにふらふらしてて危ないよね」
君塚に叱られて反省する。彼の言う通りだ。
「違う、ここ最近の話や。お前いったい、どうしたんや」
「え?」
彼の言葉に私は首を傾げた。
「俺が気がつかんとでも思てるんか? 仕事にも集中できてないみたいやし。もしかして俺が告白したから悩んでるんか?」
心配そうな顔をされて、私はとっさに否定した。
「違うって、全然それは気にしてないから」
その言葉を聞いた君塚の顔がさっと曇った。
そこで私は自分の失言に気がついた。あまりにも彼に対して失礼だった。
「ごめん、そういうことじゃないんだけど」
なにを言っても言い訳がましくなりそうで、どういう言葉を選べばいいのか悩んでしまう。
「今のはちょっと効いたな」
彼が無理して笑おうとしている姿にますます罪悪感が湧いてくる。ここで中途半端にごまかしたり逃げたりしたら、また彼に嫌な思いをさせてしまいそうだ。
ほかの人に惹かれている状況で、彼のことを考えることはできない。結論が出ているならば早めに相手に伝えるのが最良だ。
「君塚この間の話なんだけど」
「今それ聞きたないわ」
彼がそういうのも無理もない。
「でもいつまでもこのままじゃ、よくないと思うの」
私の言葉に、彼は無言でうなずく。一応話は聞いてくれるようだ。
「君塚のことは尊敬も信頼もしている。一緒にいて楽しいし、今後もそうしたいと思ってる」
「それなら――」
「待って。最後まで話を聞いて」
私は一歩せまってきた君塚を落ち着かせるように、両手を前に出して距離をとる。
「君塚は大切だよ。でもそれは春香と同じような感情なの。恋愛ではないと思う」
「なんや、それ。一緒にいて楽しいなら俺はそれでええ。そのうち気持ちが変わるかもしらんやん。結婚がこりごりやっていうなら、一緒におるだけでええやん」
しかし君塚は納得できないようだ。ちゃんと向き合ってくれた彼のためにも、私も自分の心の内を彼に見せるべきだと決心する。
「誰にも言ってないんだけど、私離婚した相手が忘れられないの。今までもこれからもずっと彼が好きだと思う」
自分の心の奥底にずっとしまってきた言葉だ。
「なんやそれ、その男を一生ひきずって生きるつもりなんか?」
私はしっかりとうなずいた。四年間頑張ったけれど、なにも変わらなかった。
「そうだよね、脚立乗ってるのにふらふらしてて危ないよね」
君塚に叱られて反省する。彼の言う通りだ。
「違う、ここ最近の話や。お前いったい、どうしたんや」
「え?」
彼の言葉に私は首を傾げた。
「俺が気がつかんとでも思てるんか? 仕事にも集中できてないみたいやし。もしかして俺が告白したから悩んでるんか?」
心配そうな顔をされて、私はとっさに否定した。
「違うって、全然それは気にしてないから」
その言葉を聞いた君塚の顔がさっと曇った。
そこで私は自分の失言に気がついた。あまりにも彼に対して失礼だった。
「ごめん、そういうことじゃないんだけど」
なにを言っても言い訳がましくなりそうで、どういう言葉を選べばいいのか悩んでしまう。
「今のはちょっと効いたな」
彼が無理して笑おうとしている姿にますます罪悪感が湧いてくる。ここで中途半端にごまかしたり逃げたりしたら、また彼に嫌な思いをさせてしまいそうだ。
ほかの人に惹かれている状況で、彼のことを考えることはできない。結論が出ているならば早めに相手に伝えるのが最良だ。
「君塚この間の話なんだけど」
「今それ聞きたないわ」
彼がそういうのも無理もない。
「でもいつまでもこのままじゃ、よくないと思うの」
私の言葉に、彼は無言でうなずく。一応話は聞いてくれるようだ。
「君塚のことは尊敬も信頼もしている。一緒にいて楽しいし、今後もそうしたいと思ってる」
「それなら――」
「待って。最後まで話を聞いて」
私は一歩せまってきた君塚を落ち着かせるように、両手を前に出して距離をとる。
「君塚は大切だよ。でもそれは春香と同じような感情なの。恋愛ではないと思う」
「なんや、それ。一緒にいて楽しいなら俺はそれでええ。そのうち気持ちが変わるかもしらんやん。結婚がこりごりやっていうなら、一緒におるだけでええやん」
しかし君塚は納得できないようだ。ちゃんと向き合ってくれた彼のためにも、私も自分の心の内を彼に見せるべきだと決心する。
「誰にも言ってないんだけど、私離婚した相手が忘れられないの。今までもこれからもずっと彼が好きだと思う」
自分の心の奥底にずっとしまってきた言葉だ。
「なんやそれ、その男を一生ひきずって生きるつもりなんか?」
私はしっかりとうなずいた。四年間頑張ったけれど、なにも変わらなかった。