御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
月曜日になると、専務としての俺と、秘書補佐としての赤斐さんは変わらない。
そして、週末を迎えると、陸として、同じように2人の時間を過ごした。

「陸さん。休みの日に私の勉強に付き合って貰ってますが、ゆっくり出来ないですよね」
「いいんだ。僕の勉強にもなるし、特に何かすることも無いから」
「それならいいんですけど・・・」
俺が楽しいから。俺が一緒に居たいから。

毎週、週末が待ち遠しく、仕事をこなした。
最近では、秘書室に座っている赤斐さんにも目がいくようになった。
つい、声を掛けて教えたくなる。
でも、それは絶対にしてはいけないことだ。

ある日、いつも赤斐さんが口ずさんでる歌を、無意識に口ずさんだ。
「君を愛したぁ・・・もう離さない・・・」
「その歌・・・」
部屋を出ようとした赤斐さんが、こっちを見て立っていた。
「あ、あぁ、この歌、知り合いがよく口ずさんでてね」

しまった!本人が居る時に歌ってしまった。
まぁ、ドラマの歌なら、誰が知っててもおかしくないから大丈夫か。
「赤斐さんも知ってるの?」
「は、はい・・・」
「そう。ごめんね、仕事中に」
「いえ、で、では失礼します」
何だか焦っている感じがするけど、気のせいか・・・
俺は気に留めること無く、目の前の仕事をこなした。
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