御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
部屋に戻り、
「華、今夜もう1度、ここで披露宴するぞ」
そう華に伝えると、びっくりした顔で俺を見ていた。
「突然、どうしたんですか?」
「俺の妻だってことを、皆に紹介したい。フレア夫妻と一緒だ。母さん、陸斗を頼む」

慌てて華の手を引き、そのまま衣装室に連れて行った。
「どのドレスがいい?」
「沢山あるんですね・・・どれでもいいんですが・・・」
「そうだな・・・これいいな」
赤で、ハイウェストから下は、前側は膝くらいの丈から、後ろは足首くらいまで長い。
「そ、空斗さん。袖が無いから、胸元が強調されて、恥ずかしいです」
「大丈夫。上に何か羽織って。後で俺が楽なようにしてくれたらいいから」
「後で俺が楽?」
「いや、こっちの話だ」

船内に俺達とルイス達の紹介アナウンスが流れる。
そして、その後、船内を歩き、皆に拍手で迎えられた。
挨拶をした人の中には、華に声を掛けていた男がいて、冷たい視線と低い声で「私の妻ですから、くれぐれも誘惑しないように」と、圧を掛けた。
< 62 / 65 >

この作品をシェア

pagetop