真白に包まれて眠りたい
21.起きたら隣に好きな人がいること

 夜中目を覚ましたら、隣でいびきをかいている。夜中暑さを感じて目を覚ましたら、抱きしめられている。朝、微睡みながら抱きついてくる。思いの外、強い力で。安心する。好きだと感じる。これが幸せというものだと感じる。好きな人の抱き枕として生きていきたい。
 昔は、好きな人の寝ている姿など見たくなかった。無防備な姿、間抜けな姿を見ると、幻滅してしまうのだった。典型的に、相手に恋しており、醜い姿は受け入れられないのだった。自分の姿を見られるのも然り。
 これが変わったのはいつからだろうか。おそらく、セックスをするようになってからだ。セックスとまでいかなくても、一度裸で抱き合ってしまえば、大抵のそういうことは気にならない気がした。それがセックスをすれば尚更そうなる。果てるところを見ることになるのだ。必死に腰を動かす姿も。脳みそを夢の中に入れてやらないと、あまりにも滑稽で吐き気がしてしまう。セックス中の姿以上に気持ち悪いものはないと思う。だがその姿も愛おしい。自分も然り、一度果てるのを見られてしまえば、それ以上に恥ずかしいことなどないなと思ってしまう。寝顔なんかよりよっぽど酷い顔をしていると思う。でもそれを見たいと要求されるのだから。もう何も恥ずかしいものはなくなる。だからもう、少しでもいいなと思ったらすぐにセックスをしたいと思ってしまう。相手を探りながら、良く見せようと演技をして、一線が越えられずやきもきする……なんて、私にはできない。

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