真白に包まれて眠りたい
22.情緒はホルモンに左右されているということ
ピルを飲み始めた。超低用量ピルと言われるものだ。月経困難症の治療のためのもので、避妊用のピルではないが、排卵を止める効用があるため避妊の効果もある。
ピルはホルモンに作用するものらしい。ピルを飲もうと思ったきっかけは、PMSや生理痛で仕事や日常生活に支障が出始めたからだ。一週間の不眠、腰痛、気分の浮き沈み、情緒の不安定、その他諸々。ピルを飲み始めて気づいたことだが、私の体は思いのほかホルモンに左右されていた。ピルを飲み始めてから、寂しくて泣くことがなくなった。寂しくてLINEを何件も送ることもなくなった。そもそも、寂しいと思うことがめっきり減った。理由のない寂しさはほぼ消えたのだと思う。そして、気分の浮き沈みがなくなった。今までも、突然気分が浮き沈みするわけではないため、自分ではなかなか気づけないが、明らかに1周期の中で変動がある。無性に苛立つ、無性に悲しい、無性に消えたい、無性に出かけたい、無性に暴れたい。ピルを飲み始めてからそういったことがない。なんて楽なのだろうと思う。世の男性は毎日この調子で生活できるのだろうか?
副作用は、有名なものとしては吐き気や頭痛だが、ごく軽いものしかなかった。深刻なのは性欲の低下だ。この話をしたい。
私の飲んでいるピルは、男性ホルモンを抑制する効果がある。また、ピルで排卵が止まるメカニズムは、妊娠しているときと同じような状況を作り出すことらしい。それもあり、性欲が低下することがある。この副作用が顕著に表れた。
最初は、ピルで性欲がなくなるなど知らなかった。気づけば、最近まったくひとりでしていないことに気づいた。また、彼氏に会いに行った時も、性欲が爆発しない。それどころか、全く濡れない。焦る。
性欲がない生活というのは、日常生活においては楽だ。突然ムラムラすることもないし、妄想がとまらなくなることもない。妄想によって下着がひどく汚れることもない。だが、とても寂しい。寂しくてたまらない。性欲が抑えられたって、彼のことは好きだ。でも、以前なら会う前からもうどうしようもないほどに興奮して困るくらいだったのに、今は会っても、裸になっても、少ししか興奮できない。寂しい。彼のことを思ってひとりで手を動かす夜がないのも寂しい。あれはあれで虚しいが、それでもそれがないのは寂しい。でもこの副作用は、もしパートナーがいなくなれば、解決するのかもしれない。穏やかに日常生活を送れるのかもしれない。だからこそ迷ってしまう。彼と会えない間は性欲なんてなくてもいい。彼と会っているときだけ性欲が爆発してくれたらそれでいいのに……。
性欲がなくなるということは、新しく誰かを好きになることも難しいのかもしれない。ときめくことがないから。そう考えるとやはりピルを変えるべきかもしれない。服用をやめる選択肢はない。たぶん、しんどくて生きていけない。
ピルをやめたら情緒が不安定な自分になってしまう。もう人を傷つけたくない。コントロールできないものに振り回されたくない。ピルをやめるなんて考えられない。だけど、ピルがないと情緒の管理さえできないことが嫌になってしまう。ただのホルモンなんてものに振り回され、そしてそれが気分を司るすべてなのだと理解してしまった。怖い。恐ろしい。
ピルを飲み始めた。超低用量ピルと言われるものだ。月経困難症の治療のためのもので、避妊用のピルではないが、排卵を止める効用があるため避妊の効果もある。
ピルはホルモンに作用するものらしい。ピルを飲もうと思ったきっかけは、PMSや生理痛で仕事や日常生活に支障が出始めたからだ。一週間の不眠、腰痛、気分の浮き沈み、情緒の不安定、その他諸々。ピルを飲み始めて気づいたことだが、私の体は思いのほかホルモンに左右されていた。ピルを飲み始めてから、寂しくて泣くことがなくなった。寂しくてLINEを何件も送ることもなくなった。そもそも、寂しいと思うことがめっきり減った。理由のない寂しさはほぼ消えたのだと思う。そして、気分の浮き沈みがなくなった。今までも、突然気分が浮き沈みするわけではないため、自分ではなかなか気づけないが、明らかに1周期の中で変動がある。無性に苛立つ、無性に悲しい、無性に消えたい、無性に出かけたい、無性に暴れたい。ピルを飲み始めてからそういったことがない。なんて楽なのだろうと思う。世の男性は毎日この調子で生活できるのだろうか?
副作用は、有名なものとしては吐き気や頭痛だが、ごく軽いものしかなかった。深刻なのは性欲の低下だ。この話をしたい。
私の飲んでいるピルは、男性ホルモンを抑制する効果がある。また、ピルで排卵が止まるメカニズムは、妊娠しているときと同じような状況を作り出すことらしい。それもあり、性欲が低下することがある。この副作用が顕著に表れた。
最初は、ピルで性欲がなくなるなど知らなかった。気づけば、最近まったくひとりでしていないことに気づいた。また、彼氏に会いに行った時も、性欲が爆発しない。それどころか、全く濡れない。焦る。
性欲がない生活というのは、日常生活においては楽だ。突然ムラムラすることもないし、妄想がとまらなくなることもない。妄想によって下着がひどく汚れることもない。だが、とても寂しい。寂しくてたまらない。性欲が抑えられたって、彼のことは好きだ。でも、以前なら会う前からもうどうしようもないほどに興奮して困るくらいだったのに、今は会っても、裸になっても、少ししか興奮できない。寂しい。彼のことを思ってひとりで手を動かす夜がないのも寂しい。あれはあれで虚しいが、それでもそれがないのは寂しい。でもこの副作用は、もしパートナーがいなくなれば、解決するのかもしれない。穏やかに日常生活を送れるのかもしれない。だからこそ迷ってしまう。彼と会えない間は性欲なんてなくてもいい。彼と会っているときだけ性欲が爆発してくれたらそれでいいのに……。
性欲がなくなるということは、新しく誰かを好きになることも難しいのかもしれない。ときめくことがないから。そう考えるとやはりピルを変えるべきかもしれない。服用をやめる選択肢はない。たぶん、しんどくて生きていけない。
ピルをやめたら情緒が不安定な自分になってしまう。もう人を傷つけたくない。コントロールできないものに振り回されたくない。ピルをやめるなんて考えられない。だけど、ピルがないと情緒の管理さえできないことが嫌になってしまう。ただのホルモンなんてものに振り回され、そしてそれが気分を司るすべてなのだと理解してしまった。怖い。恐ろしい。