真白に包まれて眠りたい
27.やりたいこと

 ずっとやりたいことがなかった。好きなものもなかった。たぶん気づいていなかった。
 自分は何を大事にして生きているかなんて立派なことは語れなかった。
 最近少しだけ、ほんの少しだけ見えた気がする。
 私は好きセンサーがひどく鈍い。だが嫌いセンサーは嫌なほど敏感だ。いつも、嫌いを跳ね除けて生きてきた。だって好きなものがわからなかったから。
 私は嫌いなものに触れ続けることができない。たぶん、多くの他の人よりも。でも、それから逃げられない。変に真面目な性格のせいで。
 私は嘘をつくのが苦手だ。嘘をつかないことは私の中の強いルールだ。嘘に対しての嫌悪感が強い。
 人付き合いをする上で、多少の嘘は必要だと思っている。だが自分に嘘はつかない。嫌なものは嫌、これを認めてあげるようにしている。
 しんどい思いをした時、「気にしない、私は大丈夫、忘れよう」と思うのは、自分の心を欺くことになる。何も大丈夫ではない。しんどい、つらい。自分が認めなかったら誰が認めてくれるのか。
 だから私はノートに書く。しんどい気持ちを、ありのままの気持ちを。しんどくてたまらない、学校になんて行きたくない、好きな人に振られるのが怖い、あの子なんていなくなればいいのに、もう全て捨てて消えたい、死ぬのがたまらなく怖い。何でも書く。未来の私を孤独から救える。

 一体何の話だ。やりたいことはどうなった。
 やりたいことを探す上で、自分がどんな価値観で行動するのかを考えたということだ。私は正直に生きることを大切にしているらしい。そして、安心すること。
 同じように悩む誰かが少しでも救われたらいいな。
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