真白に包まれて眠りたい
28.それが二人の終わり

 前より愛情表現が減った。前より求めてくれなくなった。前より褒めてくれなくなった。前より笑顔が減った。前より甘えてこなくなった。前より頭を撫でてくれなくなった。くれない、くれない、くれない。
 怖くて聞けない「もう好きじゃないんでしょう」。嫌いになったの?と聞いたら濁される。どうして否定してくれないのですか。
 好きだなんて嘘は絶対につかないでほしい。その嘘が一番傷つくから。
 本当はわかっている。こんな男、もう私には必要ない。私を大事にしない、私に時間を使わない、私に魅力を感じていない。そんな男と恋愛ごっこをしている暇が私にあるだろうか。あるからやめられない。
 我慢、不満、我儘。叶わない願いと理想。
 知りたいのは、「あなたは本当に私のことが好きですか」。お願いだから、嘘をつかないで。好きじゃないなら早く離して。

 あなたは、好きじゃなくなったら真正面からそれを伝えてくれる人だと思っていた。だけど最近、そうではないのかもしれないと思い始めている。人を引きはがすのにも体力と時間が要る。それを面倒に感じているのではないか。たぶん、別れるときは、勝手に消えていなくなるんじゃないか。別れを告げてくれるほど彼は優しくないんじゃないか。最近はそう思っている。でもそれはあまりにも悲しい。でも、私から別れを告げる勇気なんてない。

 私の中でずっとぶつかっている二つの気持ち。彼と一緒にいたい気持ちと、早く離れたい気持ち。いつか別れる、それを考えると恐ろしくてたまらない。だから縋りつこうとする。美しくないのはわかっている。彼とずっと一緒にいたい。だけどそれはほぼ不可能だと悟っている。だから早く離れたい。だけど本当は一緒にいたい。彼と気が合わないことは知っている。生活リズムが合わないことも、生活に対する考え方が相容れないことも、人生における価値観が相違していることも。そしてそれは許容できるほど小さくなくて、私の器は小さいことも。
 所詮私は一人で生きられない。だからあなたが必要なのです。我慢することがあっても、それでも一瞬の幸せのために長い我慢を厭わない。それほど狂ってしまうほどに、私は孤独になりたくない。

 お願いだから、好きだと言って。態度で示して。私、ひとりで生きられないよ。

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