真白に包まれて眠りたい

55.暗闇

 熱を出した。お腹を壊した。胃腸炎なんて頭になかった。

 流行り病だと思い、解熱剤と下痢止めを飲んで数日寝た。

 患っているときは、本当によく眠れる。私は、熱のある時に怖い夢を見ることはない。

 朝起きて、また寝て、昼起きて、また寝て、夕方起きて、また夜に寝る。

 重苦しい身体、痛むお腹、この苦しみが何日続くのだろうと呪った。

 吐き気が激しかった夜には、死んだほうがましだなんて、よくある台詞を吐いた。

 何も食べられなかった。でも、食べないと胃は痛んだ。

 フラフラの足取りでコンビニに向かい、ゼリーを買ってきた。

 ゼリーは美味しかった。でも、すぐにお腹がいっぱいになって、気持ち悪くなった。

 ゼリーの半分は冷蔵庫に入れた。

 横になってばかりなのがしんどくなって、体を起こした。とりあえず座ってみようと思った。

 筋力が落ちている気がする。でも、案外世の中力を入れなくてもできることも多いと気づいた。

 もっと優しくすべてに触れてみてもいいのかもしれない。

 YouYubeは見飽きた。私は体調が悪い時、決まってYouTubeを観る。内容は、同じように体調の悪い人のVlogや、病気を患っている人の動画。なんだか一緒に頑張れているような気がして、また、自分よりもっと大変な思いをしている人がいると実感して、少し気持ちが楽になれる気がする。

 恐ろしいことに、元気になったらあれがしたい、これがしたいなんて、ひとつも浮かんでこなかった。強いて言えば、お散歩がしたい、というくらい。

 とにかく望んだことは、体に不調が無い状態で生活をすることだった。

 3日間、仕事を休んだことは嬉しくもあり、でも早く元気に出社したいとも思った。

 健康あってこその毎日だと、強く思った。


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