イケメン御曹司は恋に不慣れ

テキパキと動く従業員たちを少し離れた位置で見ているオーナーと祐二さん。
時々、二人からテーブルの位置やカトラリーを置く場所など、細かい指示が飛んでくる。
スタッフの人数は多くはないが、皆慣れているのだろう、どんどん準備ができていく。
ここのスタッフは本当に優秀だと感心する。

「皆さんすごいですね」
「そうね。打ち合わせの段階からスタッフも参加しているし、自分がどう動けばいいのかもわかっているしね」
「キッチンの方も準備万端って感じですよね」

チラッとキッチンの方を見るとオーナーと祐二さんがカポクオーコと呼ばれるシェフと話し込んでいた。

「そういえばアンドレアがひまりちゃんのことかわいいって言ってたよ。デートに誘われたりした?」
「えぇ!? そ、そんなことないですよ」
「そうなの? 初めて来た日にかわいいなって言ってたし、この子とデートしたいな、とか騒いでいたのよ」
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