イケメン御曹司は恋に不慣れ

「今日がだめなら、連絡先を聞いてもいいですか? あなたのことかわいいなって思ってて、一目惚れしちゃったみたいなんです。だから…」
「えっ? えぇっと…あの…その…」
「お付き合いされてる方とかいらっしゃるんですか?」
「いえ…。いや…えっと…」
「僕じゃダメ…ですか?」
仕事中にこんなことを言われた経験はなく、どう返答したらよいのかわからない私はなかなか引いてくれない男性に困っていた。

「あの、し、仕事中ですので、そういうお話はちょっと…」
「なら、お仕事が終わるまで待ってます。何時ころならいいですか?」

隣の男性はこの人の友人なのか、私の動向に注目している。
あと少しで会は終わる。初めてのパーティー対応が無事に終われると思っていたところだったのに…。
こんなところをオーナーに見られたら、クビにされるんじゃないかと焦り、ますます挙動不審になる。
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