イケメン御曹司は恋に不慣れ

「わ、私のこと好きって…。浩介さんのような人が私を好きだなんて、きっと一時の錯覚です」
「はあ? お前、俺が言うことが信じられないのかよ」

「私、男の人には今までさんざん信じて裏切られてきたので。急に言われても信じられません」
「それは過去の男のことだろう。俺は違う」
「どうして違うと言い切れるんですか? 私だけが好きだって言ってた人だって、姉に会うと皆姉に惹かれてしまうんですよ」

「それで?」
「じゃ、じゃあ、今度姉に会ってください。それでも同じことが言える人なんていないんです」

「ふうん。でも俺はお前の姉にならもう会ってるよ。この前のウエディングパーティーに来ていただろう」
「…え、えぇ。来ていましたけど…。あっ、そういえば姉が大学の先輩だって…」
「そうだよ。お前の姉の川越あかりさんは大学の後輩だ。だから、お姉さんに今さら会ったところで心変わりなんてしない」
「それを信じろと?」
不信な目で見ていると浩介さんは自信満々な態度で続けた。
< 63 / 70 >

この作品をシェア

pagetop