人気イケメンダンスグループのボーカル担当『天野先輩』に溺愛されました。

4*天野先輩と写真集

 えいっと勢いにまかせてカバンから写真集を出した。

「わぁ、買ってくれたんだ。めちゃくちゃ嬉しい!」

 そう言いながら先輩はくしゃっと笑った。先輩は笑う時、軽く全部の指を折り曲げた手を胸元に当てて、首をかしげて笑う。

 笑うたびに少女漫画のイラストにありそうなキラキラのまぼろしが、先輩の背景辺りに見える気もする。

 こんなに近くで天野先輩の、こんな笑顔を見られることは、とにかくすごい。

 その笑い方もファンの間では大人気すぎて。

 動画配信やイベントで笑顔を見せてくれた日にはいつも『今日も可愛すぎる笑顔のおとくん』とか『エンジェルな微笑みが見れたからこの世にもう未練はない』とか、沢山ネットでつぶやかれている。

 とても共感。

「本当にこんなふうに笑うんだ……」

 感動しすぎて思わず声にだしてしまった。

「どういうこと?」

 先輩は首をかしげる。

「あの、たまにネットでその笑い方は作り物だとかあざといとか、見るので」
「そのままだよ! 昔はこの笑い方をバカにされたりもして嫌だったけど。今はファンの子たちに好きって言われて喜んでくれて……。自分の笑い方も言葉も動きも全部、そのままで良いんだなぁって思えた。ファンのみんなのおかげで」

 そう言って先輩は一瞬真面目な顔をして私をじっと見る。
 そしてふたたび満面の笑みを見せてくれた。

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