人生は虹色〜兄が僕に残した言葉〜




「なーんでこうなるかなぁ?」



森本さんの深く吐いたため息は、雲ひとつない青空へと向かっていく。



校庭から青空を見上げながら、今から階段を上って教室に向かおうとしていた。



あれから授業も終わり、

放課後になるまで二人は、

目を合わすことすらできていない。



森本さんが教室のドアを開けようとした時、教室の中から二人の会話が聞こえ、ドアに手を止めた。



「———それで一ノ瀬はうちに来たわけだ」



「うん……母さんは行きたかった高校より偏差値が高かった高校に行けってうるさくって」



そこに居たのは担任の今田と僕だった。



森本さんは壁に背中をもたれかけ、中の様子を伺っている。



「そっか。学校に行くのは一ノ瀬なのにな!何と言っていいか……まあ、俺みたいに良い先生に出会えたから良かったじゃないか!」



「はァ?!それ、本気で言ってる?」



僕は笑みを浮かべながら、今田に尋ねた。



「おい!そこは、はい。そうですねって受け流せよ!ホント分かってねえな!」



「いやいや、冗談でも流せれないって!ところで、良い先生っていうのはどういったところが……?」



「おいっ!だから、いちいち掘り返すなって!」


 
「ははッ」

 

「そう言えば、話聞いてほしいことがあるんだったな?それを聞こう」



二人は席に付きながら、

会話を楽しんでいた。



「えっまぁ……」



「なんだァ?」
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