恋は秘密のその先に
第二十章 新年の決意
アラームの音で目を覚ました真里亜は、ぼんやりと天井を見上げて呟く。

「うーわー、現実だ。帰って来たよ、夢の世界から」

しばしボーッとしてしまうが、気持ちを切り替えよう!と気合いを入れて起き上がる。

ニューヨークからは昨日帰ってきたばかり。
時差ボケが心配だったが、少し遅めに起きたせいか身体は元気だ。

紺のスーツに着替えて髪を束ねると、いつもの地味な自分の姿に鏡を見ながら苦笑いする。

「あはは。スイッチ完全に切り替わった感じ」

唯一いつもと違うのは、胸元に輝くネックレス。

真里亜はそっと右手で触れると、嬉しさに微笑んだ。

「よし!今日も一日頑張ろう!」

仕事用のバッグを手に、玄関へと向かう。

と、ふと思い出して部屋に戻った。

「これを忘れるところだった。ふふっ、早速今日から使おう!」

ティファニーブルーの包みを手に、また幸せそうに微笑むと、今度こそ玄関を出た。
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