恋は秘密のその先に
「失礼いたします。わたくしから改めて、セキュリティシステムの手順を詳しくご説明させていただけますでしょうか」
そう言ってパソコンを操作し、スクリーンに資料を映し出す。
「こちらをご覧いただけますか?」
それは、イラストや大きな文字、簡単な単語を並べた、まるで家電の取り扱い説明書のような資料だった。
社長がデスクに両手を載せて身を乗り出し、スクリーンをじっと見る。
「まず、ビルのエントランスにあるセキュリティゲートは、この部分にIDカードをかざしていただければ大丈夫です。入館の記録もすぐに警備室に表示されます。次に高層階エレベーターを呼び出すパネルがこちらです。カードはこの部分にタッチしてください。ピッという音がしたら、上か下かの行き先ボタンを押します。そしてエレベーター内は、ここにパネルがあります。カードを同じようにタッチして、ピッと鳴ってから階数ボタンを押してください」
「なるほど。もし部外者が別のカードをかざしたらどうなる?」
社長の質問に、真里亜はにこやかに答える。
「その場合、ブーという音がしてセキュリティは解除されません。同時に警備室にも通知がいきますので、監視カメラで確認しつつすぐに現地に駆けつけることが出来ます」
「分かった。それで?ワシはそのカードさえあれば社長室に入れるのか?」
「もう一つ、最後に更にセキュリティが厳重な顔認証と指紋認証をしていただきます。社長室のドアの横に取り付けたこちらの機械の、この丸い球体をじっと見ていただきながら、下のこの黒い部分に人差し指を載せてください。社長のお顔と指紋は既に登録済みですので、ピーという音と共にロックが解除されて、お部屋のドアを開くことが出来ます」
真里亜はスクリーンに映ったイラストを差し示しながら、ゆっくりと説明した。
「ほう、おもしろいな。なんか映画の世界じゃないか」
「ええ。有名な企業でも、この顔認証と指紋認証まで導入されている会社はそう多くありません。キュリアス ジャパン様は、まさに世界と時代の最先端を行かれる会社ですから、このセキュリティが相応しいかと」
「そうだな。ワシも毎日涼しい顔して、この顔面認証とやらをピーッと解除しようじゃないか」
顔面認証……?と思いつつ、真里亜は
「そうですね。とてもスマートで格好良いお姿が目に浮かびます」
と笑顔で頷く。
「ははは!毎朝の楽しみだな」
「ええ。では早速ですが、実際にエントランスから社長室までをご一緒に回っていただけたらと存じます。ご足労いただけますでしょうか?」
「ああ、行こう」
社長が立ち上がると、他の皆も一斉に立ち上がった。
そう言ってパソコンを操作し、スクリーンに資料を映し出す。
「こちらをご覧いただけますか?」
それは、イラストや大きな文字、簡単な単語を並べた、まるで家電の取り扱い説明書のような資料だった。
社長がデスクに両手を載せて身を乗り出し、スクリーンをじっと見る。
「まず、ビルのエントランスにあるセキュリティゲートは、この部分にIDカードをかざしていただければ大丈夫です。入館の記録もすぐに警備室に表示されます。次に高層階エレベーターを呼び出すパネルがこちらです。カードはこの部分にタッチしてください。ピッという音がしたら、上か下かの行き先ボタンを押します。そしてエレベーター内は、ここにパネルがあります。カードを同じようにタッチして、ピッと鳴ってから階数ボタンを押してください」
「なるほど。もし部外者が別のカードをかざしたらどうなる?」
社長の質問に、真里亜はにこやかに答える。
「その場合、ブーという音がしてセキュリティは解除されません。同時に警備室にも通知がいきますので、監視カメラで確認しつつすぐに現地に駆けつけることが出来ます」
「分かった。それで?ワシはそのカードさえあれば社長室に入れるのか?」
「もう一つ、最後に更にセキュリティが厳重な顔認証と指紋認証をしていただきます。社長室のドアの横に取り付けたこちらの機械の、この丸い球体をじっと見ていただきながら、下のこの黒い部分に人差し指を載せてください。社長のお顔と指紋は既に登録済みですので、ピーという音と共にロックが解除されて、お部屋のドアを開くことが出来ます」
真里亜はスクリーンに映ったイラストを差し示しながら、ゆっくりと説明した。
「ほう、おもしろいな。なんか映画の世界じゃないか」
「ええ。有名な企業でも、この顔認証と指紋認証まで導入されている会社はそう多くありません。キュリアス ジャパン様は、まさに世界と時代の最先端を行かれる会社ですから、このセキュリティが相応しいかと」
「そうだな。ワシも毎日涼しい顔して、この顔面認証とやらをピーッと解除しようじゃないか」
顔面認証……?と思いつつ、真里亜は
「そうですね。とてもスマートで格好良いお姿が目に浮かびます」
と笑顔で頷く。
「ははは!毎朝の楽しみだな」
「ええ。では早速ですが、実際にエントランスから社長室までをご一緒に回っていただけたらと存じます。ご足労いただけますでしょうか?」
「ああ、行こう」
社長が立ち上がると、他の皆も一斉に立ち上がった。