不器用な神野くんの一途な溺愛
「さっきの会話聞いたでしょ? 今朝、交通委員がいるべき場所でキスしてたのは、あの二人よ」

「.......何となく分かってたよ」

「それで――どうするの?」

「どうって?」

「委員長として何か手を打つの?それとも、神野希春として.......?」

「言ってる事が分からないよ」


元気はないけどニコリと笑う希春先輩に、副委員長も口をとざす。

反対に、喋り始めたのは、希春先輩だ。


「俺も副委員長に聞きたいことがあるんだよ」

「なに?」

「俺が昨日確認した時、莉子ちゃんは斗真とペアじゃなかったはずだよ。なのに、なんで2人が一緒のポイントにいたのかな」

「.......」

「斗真に何か言われた?」

「.......言ってる事が分からないわ」


副委員長はフイと顔を逸らす。

希春先輩は「君っていつもそうなんだから」と苦笑いをして、床に広がった教科書たちを拾ったのだった。
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