不器用な神野くんの一途な溺愛

「小野宮にSNSの使い方を聞いたってゆーんだったら、俺の連絡先を小野宮に送れよな」



小野宮と連絡先を交換しようといつも思っているのに、アイツといると忙しなくて、つい忘れてしまう。

だからばーちゃんに「俺の連絡先を小野宮に教えてくれ」とか「小野宮の連絡先をくれ」ってメールしてんのに、この前は小野宮の連絡先じゃなくて、部屋着でいる小野宮の写真が送られてきた。


椅子に座っている小野宮が、膝の上で両手を揃えてニコリと笑っている写真だ。もちろん、送られてきたからには見るが……見たタイミングが悪かった。


その時はちょうど小野宮と会えなかった時期だから、久しぶりに見た小野宮に我慢ならなくなって、結局……翌日に副委員長を使って、放送で小野宮を呼び出した。


あのばーちゃん、なぜかいつもタイミング悪いんだよ。全ての事に、計ったかのように茶々を入れてきやがる。
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