大学生をレンタルしてみた
カーテンから差し込む光の眩しさと、ズキンズキンと脈打つ頭痛と、誰かに当たった感触で目を覚ます。

隣を見ると、いつもと変わらない1Kの一人暮らしの部屋に、シングルベッドの上に、なぜか堂々と眠る晴人がいる。

昨晩の記憶を思い起こしても、小籠包が熱かった記憶しかない。頭が痛い。体が重い。

なんで私は彼をこの部屋に入れたの。

なんで彼はこの私のベッドで寝てるの。

彼がモゾモゾと動き出した。

「ねえ、なんでここに泊まってるの」

大きなあくびをして頭を掻いて、眠そうに答える。

「覚えてないんですか、木下さんが『離れたくない』って言ってきたんですよ」
「嘘だ」
「『やだ、さみしい』って言ってくるから、『俺も泊まろうか?』って言ったら『うん』って」

そう言いながら彼は寝返りをうってまた瞳を閉じる。

スマホで時間を確認すると7時15分。まあまあ寝坊だ、まずい。

「学校じゃないの?」
「俺、月曜は4コマしか入れてないんで。一緒のタイミングで出て、一旦家帰ります」

私は急いでインスタント味噌汁を作り、水分を摂って顔を洗う。

落ち着け落ち着け。どうしよう。
酔った勢いで男子大学生を泊めてしまった。

準備をしながら彼を叩き起こして、何とか間に合うように家を出る。

別れ際、彼は「じゃあまた」と言った。
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