大学生をレンタルしてみた
「ありがとう。私はね、晴人にはこれから先多分今まで知り合ったことのないような人がたくさん待ってると思う。そこにはすごく魅力的な人もいるんだと思う。私だって不安なんだよ」

晴人は全く表情を動かさなかった。ジッと私をまっすぐ見つめたまま、頭に手を置いて固まった。

このネックレスを信じて待ってた先に、ちゃんと晴人がいてくれるかどうかは分からない。このネックレスは何かを保証してくれるものじゃない。

「晴人のことを信じてないわけじゃないよ、私に自信がないの」
「俺は椎果ちゃんが好きだよ」

真っ直ぐにそう言う。
子どもだと思った。
その顔がフワッと笑った。

「クリスマスなのにこんな話するなんて」

少し泣きそうな声だった。
「ただ好きだよって伝えたかっただけなのに」と小さく続けた。

「俺のこと子どもだと思ってる?」
「思ってないよ」

嘘をついた。そしてきっと晴人も嘘だと分かってるのだろう、不安そうな表情が消えなかった。

私たちは手を繋いで私の部屋へと向かう。
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