虹へ向かって飛ぼう

「今日もバイトですか?」

「! べべべべべべつにバイトなんてしてませんし。17時までなら部活に出れますけど……」

「そうですか。それならよかった」


 わざと言ったんだろうとわかるような言い方をするくせに、目を細め笑顔を見せる先生になんとなくイラっとした。

 学校がバイト禁止だってことくらい知ってるよ。

 知り合いのツテで親や学校に連絡なしで出来るコンビニバイトを見つけたのに。やっと決まったバイトなのに、今辞めるわけにはいかない!

 それなのに、部活なんてさせられたらバイトの時間も減っちゃうし、もう最悪じゃん。


「~♪」


 小さく鼻歌まじりに、楽しそうに花を眺める先生の後ろ姿を蹴飛ばしたくなった。


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