嘘つき運命ごっこ
……何か、サラッと言われた。

瑞貴は、特に反応や返答は求めていなかったらしい。

気にかける様子もなく、頭の上に普通に傘をさしてくれた。


「ありがとう……」

「久しぶりだね、芙結と相合傘するの。昔は、どっちかって言うと、俺が傘忘れてたから」


肩が触れそうなくらいに近いこの距離が少し気まずくて、視線をそらす。


「そうだね。小学生の頃なんて、男子にからかわれて大変だったよね」

「でも芙結は、そういうの気にしない子どもだったじゃん」

「だって、そんなことしか言えない男子なんて、くだらないと思ってたし。瑞貴との相合傘だって、私が好きでやってただけだからいいの」

「……」


瑞貴が私を見て、何も言わずに黙る。

変なことでも言ったかな。
< 44 / 261 >

この作品をシェア

pagetop