図書室の姫
「あたしの目を…見ろ…田宮」
「っ……」
「田宮…あたしの目を見て」
俺はおずおずと顔をあげたけど、久野の目が見れなかった。
「お前はあたしのことを知りたいって言ってくれたよな…
すごく嬉しかった…」
俺の手を強く握る、久野の声が少し震えていた。
「だからあたしも、田宮のことを知りたくなったんだ…
あたしが前に言ったことは…嘘なんかじゃないよ」
「っ…そんなの俺だって同じだ…
でも…真実を知ったら、きっと久野も俺から離れていくんだ…」
怖い…怖いよ…