図書室の姫




ビクッ

ものすごいマイクの音で何かと思えば、久野充美がマイクを握りしめていた。

いつの間にか隣のヒロも目を覚ましてた。


「なんだ?」

─────…

「わたしは!
毎日がつまらない。つまらなくて…息も止まりそう…

だから…

この世界も嫌い。
他人も嫌い。

精々わたしは、この学校という小さな"檻"の中で、つまらない世界に色を塗ることに努力しようと思う。

新入生代表 久野充美」




シーン…………



体育館にいる全員が、久野のスピーチにポカーンとしている。



「な…なんだぁ?頭いいかと思えば、ただの変人じゃねぇか」

ヒロが言った。


────────…
──────…

これが久野充美との初めての出会いだった。



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