クールな溺愛執事とナイショの関係


しばらく固まってしまっていたのか、ゴンドラは下り口まで来ていて、スタッフさんがドアを開けた。



「お疲れさまでしたー。降りる際は揺れるのでお気をつけてくださいね」



一気に現実に引き戻される。

浬恩が先に降りて、わたしに手を差し伸べてくれた。



「帰りましょうか、詩架さま」



今日のデートは観覧車の頂上で終わってしまったらしい。



「……うん」



手を繋いでるのに、浬恩が遠く感じる。


せっかく距離を縮められたのに。

告白したのがいけなかった?

浬恩に恋をしちゃいけなかった?


だけど、自分の気持ちにはウソをつけない。



ちゃんと、浬恩のことが好きなのに……っ。

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