クールな溺愛執事とナイショの関係
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帰り道。
泣きそうになるのを堪えていると、駅のホームの待ち時間で浬恩が口を開いた。
「詩架さま」
「うん……?」
ふ、フラれる?
それなら聞きたくないよ。
まだそんな覚悟できてないから……。
「旦那さまと奥さまより連絡が入りました。今日はパーティーで夜が遅くなるそうです」
そう伝えてくれた浬恩もすこし困った顔をする。
パパとママの帰りが遅い……?
えっと、つまり……。
「このあとは浬恩とふたりきり……?」
「そのようですね」
ええっ……!
今日に限って、こんな状況で、浬恩とふたりきりなんて……!