クールな溺愛執事とナイショの関係
「えっ……?」
「失言しました。さすがにこれ以上滞在していたら旦那さまも心配されるので、俺は戻りますね。では、ダイニングルームでお待ちしております」
いつもより早口で話したあと、ニコッと得意な笑顔を見せてわたしの部屋を出てしまった。
なんて言ってたかよく聞こえなかった……っ。
どうしてそんな頑なに守ろうとするんだろう。
わたしはもっと、浬恩と普通……ううん、恋人みたいな関係になりたいのに。
浬恩とはそうなれないの……?
けど、〝なれる〟か〝なれない〟かは、わたし次第だよね。
わたしが想いを伝えたら、いつか浬恩に届くかもしれない。
それなら、行動しなきゃ。
絶対に浬恩を振り向かせる……!