甘の弱な君が好き【完】














橙真side


…遅い。



遅すぎる。



約束の時間は17時、しかし時計台の時間は21時を指そうとしている。


意外と従順なあいつのことだから、すっぽかすわけなんてないとはわかってる。


ただ、嫌な妄想が頭をよぎる。



万が一、事故でもしていれば、と考えれば今まで感じたことのない恐怖が襲う



21時になって来なければ、あいつの家にでも行こうか。



いや、さすがにそれは…



ああ、携帯さえマネージャーの車に忘れなければこんなことにはならなかったのに。



「北浜さん!」



聞き覚えのある、その透き通った声に顔をあげれば顔色を真っ青にしている藍の姿



…顔を真っ青にしたいのはこっちだ。



なんだ、無事かよ。


一気に力抜ける。

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