甘の弱な君が好き【完】

青くんの顔を見ると悪びれる様子もなく、子犬のような笑顔



「え?とうまって?」



脳内の候補にすら上がっていないのか、青くんの言った『とうま』が北浜さんのことだなんてわかっていない黄子ちゃん



うん、それが当たり前だよ



「実はその怪我させちゃったの、moreの北浜橙真なんだ…」




「……なんて言った!?ええ!?」



わなわなと震え出す黄子ちゃん


そりゃそうだよね…



「ちょっと待ってどれだけすごい人か分かってる!?」



雲の上の存在



普段お目にかかることも、彼たちの視界に入ることさえ、凄い存在



彼たちの笑顔に、歌声に、存在に、膨大な人と、お金が動く。



「わ、分かってると思う…」



オーラとか凄いよね。



でも、実際話してると北浜さんも、樟葉さんも普通の人で、有名人だからといって何も特別なことは感じないんだよね。


そのあと黄子ちゃんに一から全部説明させられたことは言うまでもない




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