本部長は慇懃無礼
京子は結局どうする事も出来ずに元のデスクへと荷物を整理しに行った。
「京子、どうしたの? そんな暗い顔して」
「かえで〜! 私どうしよう」
楓の肩に顔を埋めたまま、京子は泣き出した。京子が会社で泣いたのは先代の会長が亡くなった時だけである。
それゆえ同僚たちも皆目を丸くして驚いている。
「山田先輩、だいじょうぶですか?」
ティッシュを持って駆けつけて来たのは部下の林涼介だった。
「大丈夫じゃないわ……」
「京子、一体どうしたの? さっきまで飲みに行こうって言ってたのに」
「それがね……」
京子は楓と林に一連の事を話した。
「何て奴! 自分の部下がお見合い相手だったからっていじめたって事?」
「それ以外考えられないもの」
「山田先輩、もし何かあればいつでも無線で電話して下さい。俺、すぐに駆けつけるんで」
「ありがとう、林くん。とりあえずこれから本部長室に移動するわ」
楓が林の方を向いた。
「林、今日は良いお酒飲むからお高いお店7時から予約しておいて」
「了解っす!」
「二人とも仕事に戻って。私もそろそろ自分の部署に戻るから」
京子は足取りが重かったが、自分の私物をダンボールに入れてエレベーターで本部長室のフロアへと向かった。
「京子、どうしたの? そんな暗い顔して」
「かえで〜! 私どうしよう」
楓の肩に顔を埋めたまま、京子は泣き出した。京子が会社で泣いたのは先代の会長が亡くなった時だけである。
それゆえ同僚たちも皆目を丸くして驚いている。
「山田先輩、だいじょうぶですか?」
ティッシュを持って駆けつけて来たのは部下の林涼介だった。
「大丈夫じゃないわ……」
「京子、一体どうしたの? さっきまで飲みに行こうって言ってたのに」
「それがね……」
京子は楓と林に一連の事を話した。
「何て奴! 自分の部下がお見合い相手だったからっていじめたって事?」
「それ以外考えられないもの」
「山田先輩、もし何かあればいつでも無線で電話して下さい。俺、すぐに駆けつけるんで」
「ありがとう、林くん。とりあえずこれから本部長室に移動するわ」
楓が林の方を向いた。
「林、今日は良いお酒飲むからお高いお店7時から予約しておいて」
「了解っす!」
「二人とも仕事に戻って。私もそろそろ自分の部署に戻るから」
京子は足取りが重かったが、自分の私物をダンボールに入れてエレベーターで本部長室のフロアへと向かった。