何度生まれ変わっても ─心臓病の幼馴染と過ごした日々─
「………ぷはぁっ」
生まれて初めての、長い長いキスに、郁は頭が真っ白になり、息が上がってしまった。
「ごめん、郁、大丈夫か。苦しかったよな。」
頬を赤く染めながら、目を潤ませ、首を横に振る郁。
碧は郁を抱きしめ、言葉を続ける。
「俺も…ずっと郁が大好きだった。でも、俺は医師で、郁に負担をかけてはいけないから、ずっと気持ちを抑えてた。伝えてはいけないと思っていた」
「…でも、何度も何度も郁を失いかけて…心から愛していたことに気づいて、郁無しでは生きていけないと思った。」
「これからも、どうしても郁につらいことばかりさせて、郁の体だって傷つけてしまう俺だけど…お願いだ。俺だけの郁でいてほしい。もう遠くに行くな。ずっとそばにいてほしい。」
「…碧くん…本当に私でいいの?…長生きできるかもわからないのに…」
顔を押さえて泣く郁。
「…そんなの、俺が長生きさせてやる。病気は、約束通り俺が治してやる。だから、お願いだから、ずっと一緒にいてくれ」
再び、抱き合い、長い長いキスをする2人だった。