年下彼氏は糖度が高め
ずるくて、卑怯

時々、ふと思うことがある。



「先輩ってさ、なんでそんなに可愛いんだろうね?」



「……」



「あ……耳、赤くなった。照れてる凛子先輩、かーわい」



「っ〜!!寝言は寝て言って…!!」



なんでこんなのと付き合ってるんだろうと。



「寝てないよ。ちゃんと起きて学校来てる。えらいでしょ?」



ね?と、さりげなく小首をかしげるのは絶対狙ってやっているに違いない。



褒めて欲しいのが透けて見えている。



…なんてあざとい。



こちとらそんな罠に引っかかる馬鹿ではないし、もうすぐSHRが始まるから構っている時間もない。



「…当たり前だから。それより、早く教室戻んなよ。怒られても知らないからね」



廊下側の1番後ろというかなり良い席も、今の私にとってはただの都合が悪い場所。



東都はいつも廊下側の窓を勝手に開けて、好奇の目を向けられることを気にもとめずに話しかけてくる。



慣れたと言えば慣れたけど、やっぱりまだ落ち着かない。



それに、毎朝SHRが始まるギリギリまでいるからいつもヒヤヒヤするのだ。



東都が怒られたら、一応先輩である私の注意不足になってしまう。
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