ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
 自分に呆れたため息をこぼし、ごろんと寝返りを打って依都と向き合う。

「それに、中途半端に君を疼かせたままだっただろう」

 途中から記憶がないので、おそらく寝落ちしたのだとわかる。ぼっと顔を赤くする彼女の髪を指に絡め、「悪かった」と謝った。

 枕に顔を埋めてしばし悶えていた彼女。こちらに顔を向けると、小さく首を横に振って照れた笑みを浮かべる。

「たくさん可愛いって言ってくれて、すごく嬉しかったですよ。あれも本心ですよね?」
「もちろん」

 酔っていたとはいえ、俺は適当にあんなことを言う男ではない。前向きに考えれば、依都に情けない自分もすべて見せ、それを受け入れてもらえたのだからよかっただろう。

 しかし、やはり素面の状態でしっかり愛し合いたい。再び欲求が生まれ、身体を起こして彼女に覆い被さる。

「これまで言ったことも全部本心だが、今の俺の口と身体でちゃんと伝えたいから、もう一度愛させてくれ」

 情熱を込めて見下ろすと、彼女は目を見開いてうろたえ始める。

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