【電子書籍化決定】婚約者と親友に裏切られて殺された聖女はアンデッドとして蘇ります!〜冥王様と共に絶望をお届けする予定ですけど……覚悟はいいですか?〜

四章

(ジェラールside)



──ヴィヴィアンをベルナデットと共に屠ってから三ヶ月が経とうとしていた。

ジェラールはヴィヴィアンの死体を死の森に投げ捨ててからのことを思い出す。
隣国から帰ってきた父に事情を説明をすると信じられないことに取り乱して『すぐにヴィヴィアンの捜索をしろ!』と命じたのだ。

(放っておけばいいものを……!)

死の森に飲み込まれたら戻ってこられない。
騎士達は恐る恐るヴィヴィアンの捜査に向かうものの、彼女が見つかるはずもない。

(ははっ、あれだけの致命傷を与えたんだ。生きているわけがないのに父上はヴィヴィアン、ヴィヴィアンと。ありえないだろう?)

やはりヴィヴィアンは見つからずに、死の森に向かった騎士の中で何人かの行方不明者が出て捜索は打ち切られることになる。
確かにヴィヴィアンの力で病を治せなくなったことは痛手だが、それだけだ。
父の焦った表情と妙に騒がしい大臣達に違和感を感じていた。

ヴィヴィアンがいなくなり一週間ほど経つと、ジェラールは事の重大さに気付かされることになる。
国民や貴族達は『ヴィヴィアン』がいなくなったことに対して説明を求めた。
「やはりこうなってしまったか」
父の言葉の意味を理解するのと同時に危機感を感じていた。
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