婚約者と親友に裏切られて殺された聖女はアンデッドとして蘇ります!〜冥王様と共に絶望をお届けする予定ですけど……覚悟はいいですか?〜
ヴィヴィアンが消えたことについて説明を求める声で国中は溢れかえっていた。
ヴィヴィアンの癒しの力、つまり病が治せなくなった恩恵が受けられなかったことや、アンデッドに対する大きな不安を感じているようだ。

マイケルやモネ、アンデッドやいるかどうかもわからない冥王のせいにして乗り切ろうとしても、矛先はヴィヴィアンを守れなかった王家やジェラールに向いていく。
『何故、ヴィヴィアン様を守ってくださらなかったのですか!?』
『ジェラール殿下、説明してください!どういうことですか!?』
涙ながらに責められて言葉を返せなかった。
ジェラールはヴィヴィアンを守れなかったと謝ることしかできないし、頭を下げる日々が続いた。

(どうして僕がこんな屈辱を受けねばならないのだっ!)

国中にヴィヴィアンの訃報が知れ渡る頃には大混乱だった。
ジェラールはヴィヴィアンの婚約者で彼女を心から愛していた演技をしなければならず、なかなかベルナデットとの婚約に踏み切れない。
それにはベルナデットとスタンレー公爵も予想外のようで戸惑っているようだった。
もし今、ベルナデットとの結婚を提案しようものならどうなるか……考えなくてもわかる。

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