時と姿を変えた恋

 私は心臓が飛び出るほど驚いた。温かい手のぬくもりと力。ドキドキした。このドキドキは何年ぶりなの?自分で自分にびっくりした。

「どうだ?力も変わらないか?」

「驚かせないで……ああ、びっくりした」

「お前、何時までいられる?」

「延長保育にしましたけど、上の子が帰ってくるまでに戻りたいんです。こっちを三時には出たいです。志田さん、午後から仕事は?」

「俺は大丈夫だ。営業だしな、今日はアポ入れてない」

「そうですか。お仕事どうです?」

「ああ、それなりに大変だよ。同期での出世争いや追い落としも始まってる。結構辛いぞ。出向させられる奴もいるし……」

「そうですか。少し他の同期から私も聞いていましたが大変らしいですね。でも志田さんなら、大丈夫でしょ?」
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