好きな人と暮らす初めての日
幸せな朝
 頭を撫でられる感触で目が覚める。


 目を開けると、私の大好きな人――リュカの顔があった。

 綺麗な黒い髪、優しげに細められている切れ長な黒い瞳、鼻筋もスッと通っていて、形のいい唇は緩やかに弧を描いている。

 彼が抱きしめてくれてるおかげで、顔が近くにあったのには少し驚いた。
 けど、寝起きで覚醒していないながらも、かっこいいなとぼんやりと思う。


「まだ眠たいなら寝てていいよ」


 リュカは私がまだ眠たいことがわかったようで、頭を撫でたまま、優しい声でそう伝えてくる。


「ううん、起きる。……本当にどこにも行かないで、一緒にいてくれた」

「約束したからね」


 私が寝ている間どこにも行かないって、眠る前に約束したのをちゃんと守ってくれた。

 それを嬉しいと思うけど、昨日不安に思っていたことを彼に伝える。
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