好きな人と暮らす初めての日

「私ね、昨日のことが夢だったらどうしようって思ってたの。起きたら、またあの部屋だったらどうしようって。だから今、こうしてリュカがいるのがすごく嬉しいの」


 私も抱きしめ返して、更に彼との距離が近くなる。
 リュカが私のおでこにキスを落とす。


「俺も起きたらリーベがいて、すごく嬉しい」


 彼もそう思っていてくれたことが嬉しくて笑みがこぼれる。

 昨日までは朝がくるのが怖かった。
 朝になると、オリバーが部屋に来て暴力を振るってくるから。

 だからこんなにも幸せな気持ちで朝を迎えられる日が来るなんて嘘みたい。

 彼の腕に包まれて幸せを感じていると、彼が私の顔を見つめてくる。


「リーベ、愛してる」

「私も、愛してる」


 微笑みかけてくる彼に、私も微笑みかえす。


 そして唇を重ねる。
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