アンハッピー・ウエディング〜後編〜
木枯らし吹く頃の章3
…文化祭が終わり、修学旅行が終わり、ちょっと時期遅れのハロウィンパーティーも終わり。

いよいよ秋も深まり、そろそろ冬の気配が見えてきた。

紅葉が綺麗な時期になったなぁ。

しかし、これは良いことではない。

紅葉が良いことじゃない、というのはどういう意味なのかって?
 
眺めてる分には良いよ。確かに。

でもな、秋になると落ち葉が増えるだろう?

旧校舎のみならず、新校舎を含め学校中の落ち葉を、掃除させられるのは俺達男子部の生徒なんだよ。

この学校、無駄に緑が多いからさ。

毎日毎日、大きなゴミ袋がいっぱいになるほど落ち葉を掃かされたら。

そりゃあ、もう紅葉を楽しんでる余裕なんてねーよ。

それでも俺達が、我慢して毎日落ち葉掃除を頑張ったのは。

20キロも走らされたり、難易度の高過ぎる調理実習をさせられるよりマシだ、と皆の意見が一致していたからである。

怒涛の毎日が続いたので、そろそろゆっくり平和な日常を謳歌したい。




…と、思っていたある日の放課後。


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