再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜
「今頃どうするの?誰か身長の低い人は……」

 その瞬間なぜかみんなの視線が私に向いているではないか。

「あなた、これ着て」
「ムリムリムリ」
「時間がないのよ。このドレスに合わせたブーケ、あなたのところのじゃない?」
「あっ!!」

 そう、私が担当したブーケの中でも一番の自信作がこのドレスに合わせたものだったのだ。

「こっち」

 半ば強引に試着室にドレスと共に押し込まれた。ウエディングドレスを突然着ることになる日が来るなんて……。

 憧れてはいたが、まさか本当にブライダルショーに出るのだろうか。袖を通してみると、私用に作られたのかと思うほど、サイズがぴったりだ。

「着られた?」
「は、はい」
「時間がないから早く」

 急かされて試着室を出ると、全員がこちらを見ている。

「可愛い」「似合ってる」「ぴったり」

 賞賛の言葉に落ち着かない。そんな私を椅子に座らせて、ヘアメイクが始まる。ショーに出る人達は先にヘアメイクを終えていることからも、よほど余裕がないのだろう。



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