妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
 二度目の乾杯をした私たちはお酒を飲みながらお互いの事を話し始め、仕事についての話になったのだけど、私はそこで驚く話を聞く事になった。

「え? 百瀬くんって、あの荒木田(あらきだ)ホールディングスの関係者なの!?」
「関係者ってか、後継者。じいちゃんが社長で俺は孫。まあ、じいちゃんの後は親父が継ぐから、その後を俺が継ぐ事にはなるから、まだ先の話だけど」
「荒木田社長のお孫さんが、百瀬くん……?」

 荒木田ホールディングスというのは、飲食業界では一、二を争う程の大企業で、食品メーカーで働く私は勿論知っているけど、そうでなくても名前を聞いた事が無い人はほぼいないと思う。

 彼がその荒木田社長の孫だというのだから、驚かないはずが無い。

「それじゃあ、百瀬くんは当然そこの社員ってこと?」
「いや、俺は今、知り合いの会社でシステムエンジニアとしてシステム開発とかやってる。俺さ、昔からじいちゃんが社長ってだけで周りから羨ましがられて、どうせお前も会社継ぐから楽でいいよなとか言われてきて、そういうのが凄く嫌いでさ、コネとか七光りって言われたくないから、継ぐまでは好きな事やるって決めてんだ」
「そう、なんだ……」

 普通なら将来を約束されている身だし、楽出来そうだと喜びそうなものだけど、それを嫌って自ら別の企業で働くなんて、しっかりと自分を持っている人なんだと思った。

「百瀬くんって、歳はいくつ?」
「二十五だよ」
「二十五!?」

 驚いた。もう少し下かと思ってたら、私と二つしか変わらないのだから。

「亜夢さんは?」
「え? あ、ああ、私は二十七」
「何だ、二つしか違わなかったんだ? それじゃあさぁ――亜夢って、呼び捨てでも構わない?」

 ソファーに隣同士で座っていた私たち。

 自分が持っていたお酒入りのグラスをテーブルに置いた百瀬くんは次に私の手にあったグラスを取ってそれもテーブルに置くと、私の身体をソファーの背もたれに押し付け、上に跨る形で迫って来た。
< 11 / 171 >

この作品をシェア

pagetop