妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「……呼び方は、別にどうでもいいけど……これは、一体?」
「酔った勢い……かな?」
「……無理矢理はしないとか、言ってなかった?」
「うん、言ったよ。無理矢理はしない。嫌だって言われたら、止める」
「…………」

 まあ、そうだよね。

 男女が部屋に二人きりなんて、やっぱりこうなるよね。

 彼は、そういう事をしないんじゃないかなって思ったけど、そんな訳無いか。

(でも、私だっていけないんだ。誘いにのこのこ付いて来たんだから)

 お酒が入って多少判断が緩んでいたとしても、こんなのは自己責任。

(軽い女だと思われても、仕方ないんだ)

 正直、今はそこまで酔ってない。

 正常な判断は出来てるつもり。

 だからここで拒めば、まだ引き返せる……そんな気はしてるのに、何故だが拒めない。

「……亜夢、俺さ、一目惚れしたんだよね。だから、声掛けた。軽いって思われても仕方ないと思うけど、あの時声掛けないと後悔するって思ったから、声掛けたんだ……普段はこんな事、しないよ」
「…………」
「もしかして、まだ、別れた男の事、想ってたりする?」
「……いや、正直それは無い。確かに好きだったけど、彼は他でも無い私の妹を選んだ……その時点で、もう、無いのよ」

 この世でたった一人の妹。

 私は有紗の事を好きにはなれない。

 彼氏に浮気されても、他の女ならまだ許せたかもしれない。

 だけど、

 有紗だけは、

 私から全てを奪う有紗を好きになる人の事だけは、

 有紗同様どうしても許せない。

 仮にやり直そうって言われても、絶対にあり得ない。

「それなら、俺にしなよ」
「……いくらなんでも、それは出来ないよ……」
「俺は気にしないよ? 別れてすぐに次にいってもいいって思ってるタイプだから」
「……百瀬くんはそうでも、私は……」
「お互いを知らないから?」
「……それも、ある」
「なら、今から知ればいいじゃん?」
「そういう問題じゃ……」

 私が次の恋に踏み出せないのは、そんな事が理由じゃない。

 次の恋にいく早さなんて私の中ではどうでも良くて、

 一番怖いのは、次に誰かを好きになって、

 その人が、

 現れた有紗に心変わりをする事なの。
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