妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「ここに二人で来たという事は、結婚を決めたという事でいいのかな?」

 初めに口を開いたのは親父だった。

「ああ、勿論」
「亜夢さんも、百瀬と一緒になる事に異論は無いという事でいいのかな?」
「は、はい! 勿論です!」
「そうか。私としては、当人同士の気持ちが第一だと考えているから、異論は無い。皆も、二人の結婚には賛成という事でいいかな?」

 俺と亜夢に結婚の意思を確認すると、今度はじいちゃんばあちゃんと母さんに問い掛ける。

「私は異論は無いよ。亜夢さんは見た目からとても優しい性格の持ち主だと分かる。荒木田家を、百瀬を支える良き妻になるだろう」
「そうですね、とても可愛らしいお嬢さんだし、百瀬の事も大切にしてくれるだろうからね、私も異論はありませんよ」

 じいちゃんとばあちゃんには好感触のようで、異論は無いらしいけれど、母さんは何故か黙ったまま。

「母さんは、反対なのかい?」
「……いえ、そういう訳じゃないのよ。ただ、確認しておきたい事があるの。亜夢さん、いいかしら?」

 親父がもう一度母さんに問い掛けると、確認したい事があると亜夢の方へ視線を向けながら言った。

「は、はい!」
「貴方、本当に後悔しないのかしら?」
「後悔……ですか?」
「そうよ。知っていると思うけど、荒木田家(うち)は名の知れた名家で、最近ではメディアへの露出も増えているわ。多少の配慮はあるとしても、何かあればメディアに追いかけられる事もあるし、真実ではない事で騒がれたりもする。プライバシーが守られない事もあるかもしれない。それに、百瀬もいずれは跡を継いで社長になるから、支えていくにしても生半可覚悟じゃ、やっていけない。それでも、百瀬と歩んでいく覚悟を貴方は持てる? 何かあって辛さを感じてから後悔しても、遅いのよ?」

 母さんの話は、最もだと思う。

 メディアへの露出は主に俺が中心だから必然的に亜夢にも皺寄せがいくだろうし、生活環境全てが変わってしまう亜夢は、戸惑いや不安の毎日になるかもしれない。

 けど、勿論メディアからは俺が守るし、日々の生活で感じる不安や戸惑いも取り除ける自信はある。

 だから大丈夫だと俺から母さんに伝えようとしていると、亜夢の方が先に口を開いて、

「私は、決して後悔なんてしません。寧ろ、百瀬くんと離れる決断をする方が後悔します。こちらへ嫁ぐとなると、私のこれまでの暮らしは全て変わってしまうし、それには勿論不安がありますけど、一日でも早く慣れて、少しでも百瀬くんの……荒木田家の助けになれるように努力します。どんな事でも一生懸命頑張りますので、どうかご指導の方、よろしくお願い致します」

 自分の思いを伝えると、母さんに向かって深々と頭を下げた。
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