妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】

Episode1

「よし、何とか形になったね」
「うん、本当にありがとう。これも全て百瀬くんのおかげだよ」
「役に立てて良かったよ」

　怒涛の一夜から一週間、私は百瀬くんの隣の部屋を借りる事になって、今日は入居日。

　百瀬くんが家具や大型家電の搬入を手伝ってくれたおかげで、ある程度住める形に落ち着いた。

　この部屋に住めるまでの一週間は百瀬くんの部屋でお世話になり、交際を始めた事もあって私たちは束の間の同棲生活を満喫した。

　彼はとにかく私を溺愛してくれる。

　常に可愛いと言ってくれるし、適度なスキンシップも欠かさない。

　何よりも私を一番に想ってくれている事が伝わってきて、一緒に居る、ただそれだけの事すら幸せに思えていた。

　百瀬くんは一緒に住みたいからずっとここに居て良いよと言ってくれたけど、付き合いたてだし、初っ端から甘え過ぎるのも良くないと思った事、勢いだけで同棲を始めて万が一すぐに駄目になったりしても嫌だし、適度な距離感は必要だと思った私の意思を尊重してくれて、行き来出来るお隣の部屋を借りる事になった。

　私たちは恋人であり、お隣さんになったのだ。

「まだ色々と足りない物も沢山あるから……百瀬くんと一緒に買い物に行きたいなって思ってるんだけど……いい？」
「勿論！ 寧ろ一緒がいいって思ってくれて嬉しい！ 買う物沢山あるなら車出すよ」
「本当に？ 助かる」

　こうして私の新たな生活が始まった訳だけど、貴将を奪った有紗は勿論私のこれからの生活が気になる訳で……早速行動に移してきた。

　出掛ける準備を整え、部屋を出ようとしたところでマナーモードになっていたスマホが振動する。

　画面を見ると有紗からで、彼氏を寝取った(あんな事)をしたくせに、どういう神経をしているのか電話を掛けてきたのだ。