妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
 夕食を食べ終えて片付けを済ませた私は、百瀬くんとソファーに並んで座ってネット配信されている映画を観賞していた。

 オススメに出て来て評価もそれなりに高い恋愛ものの映画なのだけど、何だか内容がタイムリーで思わず見入ってしまう。

(……彼氏が彼女に隠し事……、それが原因で喧嘩になって、険悪な状態になったところにライバルが近付いていって彼を取られるとか……何だか、色々とツッコミどころのある内容だな……)

 そしてその映画は最終的に彼氏がもの凄くクズな男で別れて正解……みたいな話になるのだけど、それを観終わった私は何とも言えない気持ちに陥っていた。

(……気にしないようにって思えば思う程、気になっちゃう……。有紗は一体何を言おうとしたんだろう? 百瀬くんが一体何だって言うんだろう……)

 いっそ百瀬くんに直接聞けばいいのだろうけど、やっぱり聞けない。

「亜夢?」
「え?」
「ボーっとしてたけど、疲れちゃった?」
「あ、ううん、そんな事ないよ?」
「……夕飯の時もそうだけど、何も無いって顔じゃないよね? どーしたの?」

 でも、百瀬くんは鋭いから私の変化にすぐ気付くし、誤魔化しが効かないのも分かってる。

 分かってるけど、どうしても聞けない。

「……百瀬くん、今日、帰っちゃう? もっと、一緒に居たい……」

 今はとにかく一人になりたくなくて、彼の温もりを感じてたくて、私の方からもっと一緒に居たいと口にする。

「……そんな可愛い事言われたら、例え用事があったとしても帰らないよ。亜夢、おいで?」

 私の言葉に表情を緩めた百瀬くんが手招きをしてくれたから彼の胸に飛び込み、ぎゅっと抱きしめられた事で、不安がだんだん消えていくのを感じていた。
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