妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
 昔から自分はお人好しの馬鹿だと自覚はしてた。

 有紗にいつも大切なモノを盗られて傷付けられているくせに、家族だから、血の繋がった妹だからと有紗との関係を切れないでいるし、やられたらいっそやり返せばいいのに、それすらもしない。

 両親は有紗の事を溺愛していて私の言い分なんて聞きはしないし、外面の良い有紗の悪口を言ったところで、誰も信じない。

 結局いつも我慢して身を引くのは私。

 だから、有紗はつけ上がるのだと分かってはいる。

 でも私は、人にされて嫌な事をしたいとは思わなくて、私が耐えればそれで良いと思ってた。

 いつか、私を分かってくれる人が現れれば、それだけで救われる気がした。

 それが、百瀬くんだって、信じてた。

 あんなにも私を想い、私の事を好き、可愛いと言ってくれた彼。

 百瀬くん以上の人には、もう出逢えない気すらしていた。

 こんな事になるなら、有紗との関係なんて、もっと前から切ってしまえば良かった。

 私を理解してくれない両親共々、絶縁すれば良かった。

 いっそ有紗から話を聞かなければ、知りたくない事を、知らずに済んだのに。

 だけど、どんなに悔やんだところで全ては遅い。

 今更無かった事になんて、出来ないから。

「……もう、やだ……」

 考えれば考える程、頭の中がパンクしそうで、私はスマホの電源を切ると、そのまま眠りについた。


 翌日、今日は日曜日で昨日同様休みなので、昼頃に目を覚ました私はひとまずシャワーを済ませ、一旦家に帰るかこのまま部屋に留まるか悩んでいた。

 昨日一晩だけ泊まろうかと思ったけれど、少しの時間じゃ気持ちの整理がつかないだろうと思い、今日も泊まれるように連泊出来る手筈は整っている。

 けれど、目を覚まして電源を切っていたスマホを起動させると、あれからも百瀬くんから着信やメッセージは届いていて、彼が物凄く後悔している事がひしひしと伝わってくるのを見ると、やっぱりこのままじゃいけない気がした。

(どんな事実があったとしても、聞かないでこの先の事を決めるのは、駄目だよね)

 せめて、彼の話を聞いてから判断すべきだと思い直した私は、一度マンションへ戻る事にした。
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